ビタミンDが糖尿病と何らかの関係があることは考えられていて、過去ビタミンDを摂取することで糖尿病の改善がみられた論文もあります。
ビタミンDが体内に取り込まれたときに、膵臓のβ細胞の機能改善や、組織でのインスリン抵抗性を改善する、という理屈がありました。
ただ、このたびNEJMという有名な医学雑誌の論文では、「効果はなかった」としています。
理由としては、対象となったビタミンDを飲まなかった人のなかにも、サプリメントとして、ビタミンDを毎日摂取していた可能性、をあげています。 どうも日本よりもアメリカでは、ビタミンDをドラッグストアで売っていて、参加した年齢層では10人中8人がそういったサプリメントを摂取したいたことも影響しそう、とのことです。
こういった実験では、何を飲んでいるか、は対象の方いは告げられていないので、結果としては、有名雑誌にのるほどのものではないような気がしますが、「アンチテーゼ」、いわゆる、今までの通説を覆す論文は注目されやすい、という事実があります。
この論文だけで、ビタミンD摂取と糖尿病の関係は、全く意味がない、と結論づけるのは早い、と思う次第です。