癌がない科、それが循環器内科です。 「癌をみたくないから」という理由で循環器内科を志望する医師も多くいるのが事実ですが、人それぞれで開業しないならそれもいいと思いますが、私には全く理解できません。 以前も書きましたが、徳島県では、「胃腸科内科・循環器科」というクリニックが多く存在します。 高知県ではあまりありませんよね? それは、徳島大学医学部では、以前の第二内科という医局が、日本の医局で「唯一」循環器内科と消化器内科をする医局だったからです。 今は分かれていますが、私が入局したときはまだ第二内科だったので、消化器内科の先生とも一緒に仕事をするのが普通でした(ちなみに当時の医局の教授も消化器内科が専門でした)
もともと京都で研修をしていて消化器内科を目指していて、循環器内科に興味がうつった私にはうってつけの医局だったわけです。
そんなわけで、学会で発表はしていますが、論文にはまだ出来ていない内容の、「40歳以上の糖尿病か境界型糖尿病があるかたで、検診をうけていない場合、初発の大病(虫垂炎とかではなく)が心臓病だった場合、5年間追跡調査すると、胃がんや大腸癌、胆嚢癌などが20%程度みつかる」という報告を、先月香川で行なった時に、とあるご高名な循環器内科の先生からメールで、「素晴らしい内容だった」というメッセージをいただき、非常に嬉しく思いました。
私自身は、治療方針の「ガイドライン」は非常に優れており、それにそった治療をすることを必ず心がけていますが、そもそも人間が作ったものであり、しかも循環器ガイドラインなので、「癌」については全く触れられていません。
土佐からガイドラインを変える、という意気込みで、一町医者から「自分の考え」を発信(output)できる医師が私の理想の町医者像です。