よく使われる「心技体」ですが、これは逆だと私は思います。 野球で有名な落合博満さんも言っています。 まず体が健康でなければ、いろんな技術や考え方も十分にできず、心が不安になる、と思うからです。 病は気から、も、実際に経験したなかでは、心臓病かも、、、という方に心臓のエコー検査をして、現時点では問題ない、という一言で症状が消失するかたもいます。
医療者にとっては、技術が稚拙であったり、落合氏が述べているように、経験したことがないことは身につかないため、技術の上達は望めないと、私も思います。
私は今までの経験や、超一流の上司から教わったことを、自分で考えて、さらに勉強して、技術を高めていき、クリニックの目標である、「体が健康であること」を第一に考えています。
患者さんによっては、胃カメラなどの検査、採血検査、など、私自身は「最善の手」として、その検査をする理由も詳しく述べ(待合室にもそういった証拠となる書き物を置いています)るようにしていますが、もちろん患者さんが最終的には検査を受けるかどうかは決めることでしょう。 ただ、「この所見があれば、1年後に胃カメラをしないと危険」「肺炎の可能性があるのでレントゲンは必須」「この薬を飲んでいると年に数回採血検査は絶対に必要」ということも事実です。 例えば、腎臓の機能が悪くなっているのに、その機能に沿った投薬をしなければ、薬の副作用がでます。 心臓エコーや腹部エコー、CT検査で見つかった異常な所見をそのままにするのは危険です。
ピンピンコロリ は あくまである日安らかに、という意味であって、「苦しみながら」はイメージしていないでしょう。 心臓疾患が悪くなったり、症状がなくても(むしろ隠れた癌があり、症状があるということは既にピンピンコロリ は無理でしょう)癌検査をしないといけない、と思う次第です。
それが、その場の最善の一手、ならそういう提案をするのが私の役割だと思います。
その提案ができない、しない、のは医師の怠慢、もしくは「知らない」という、ことになります。
「絶対に癌検査はうけない」という方もいます。 そういった方には、勧めませんが、「友人などからした方がいいよ」と言われたらいつでも言ってください、と突き放さないことも重要と考えています。