インフルエンザの検査キットで陰性でも、「症状や周囲の状況で診断しないといけない」とされていますが、私はインフルエンザかどうかは咽頭をみて判断がだいたいできます。 論文にしようと思ったところ、後輩の日本でも珍しい感染症専門医(昨年はロンドンに留学中だった)から、その所見はすでに日本の北海道の開業医の先生からでていますよ。 と、言われ、自分の無知を知りました(ただ感染症内科医が知っている、というだけで、通常診療の医師はまず知らないこと、感染症専門でもないのにそこにたどり着いたことは、後輩から褒められました) そこで終わらず、私はまだ論文にできていませんが、「絶対にインフルエンザではない」という咽頭の所見を発見しました。 陰性所見という奴ですね。 このインフルエンザキット、症状や状況、さらに上記の2つの所見で当院ではインフルエンザかどうかを診断しているのです。 しかしなかなか陰性所見はでてくれません。 それが咽頭でみられ、インフルエンザだった例は昨年1件もなかった所見です。
さて、今日は昼休みに1つ論文をみました。 メイヨー大学がミネソタ州の平均寿命と心臓病(心筋梗塞)の方の平均寿命を合わせた表に、「心臓リハビリ」を受けると平均寿命が、心臓病がなかった人と同じになる、というあまりにも有名な論文、、、ではなく、それが発表される前後の論文です。 意外と「心臓リハビリ」には予後改善効果がなく、QOL(生活の質)を向上させる、という論文が多いのです。 そのあまりにもショッキングな「良い」論文はおそらく消えるでしょう。 論文自体にどんなリハビリが良かったか、どのくらい続けたかなど書かれておらず、私が本日、香川県のとある先輩医師から心臓リハビリや心不全の講演を頼まれたのですが、最近の講演でそのメイヨー大学の論文を使う医師もいないと思います。 恥ずかしいからです。 自分自身、心臓リハビリに関わって10年近くになりますが、確かに予後をよくするというか、悪い人を早めにpick upできる、またsuper responderといって、相当効果がある人、のどちらかだな、と思っています。 あとは、している方が、していないより、10年では生存率などはわかりませんが、健康寿命は良いだろうな、とは思いますし、そういった短期間の論文はたくさんでいます。
さて、私はout put型の人間でありたいと思っています。 そのためにはこういったinputも非常に大事なのです。 余計な労力で、私自身を疲れさせて、診療の質を落とさないように、と日々思っていますし、人間は他人との関わりの中で生きているのである程度仕方のないこともあるかと思いながら、嬉しいニュースや、みていて面白い論文や、自分の発表のアイデアを、まとわりついてくる嫌な感情を無視し、暇な人って結構いるなぁと、って全然羨ましくないのですが(笑)、全力で毎日を働きたい、と思っています。
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