コレステロールや中性脂肪の疾患

病院にかかっていれば、脳梗塞や心筋梗塞になる確率が減る、ということ

そういう疾患に「ならない」わけではありません。 確率を下げる、ということをしているのです。
そこで頸動脈エコーは非常に大事です。 頸動脈エコーで、動脈硬化がひどければ、血管は全身つながっているので。心臓を栄養する冠動脈や、脳の血管にも動脈硬化はある、と考えていただいた方がいいでしょう。

つまり、血圧、悪玉コレステロール(LDL)の管理がよくても、頸動脈エコーで動脈硬化所見があれば、治療(食生活だけの場合も含めて)の介入が必要なことが多いと、根拠をもって私は考えます。
血圧、高脂血症を治療していて、中性脂肪が少々高くてもいいでしょう、は少し前の考え方です(私も心臓カテーテル治療をしているときはLDLにのみ固執していましたが、時代は変わって来ました) 要は、高脂血症=(LDL)だけを下げればいい、という考え方は以前は問題なかったのですが、患者さんの年齢、他の疾患のリスクを考えてえると、栄養指導や中性脂肪(、時には尿酸をも)を下げるといった、「脂質異常症」という考え方を持たないといけないと、されています。

例えば、いくらLDLを下げても、中性脂肪(TG) が高ければ、LDLよりもタチの悪い、VLDL(悪玉コレステロール(LDL )よりも小さくて、血管内に入り込み動脈硬化を起こす)が増えるというエビデンス(医学的根拠)があるのです。
私は、薬屋ではなく医師ですので、できるだけ脳梗塞や心筋梗塞になってほしくない、という思いで事実を述べているので、ご納得いただけないのなら、それはその人の考え方なので、いいと思っています。 が、ただ、危ない所見、検査結果があるのに、それを伝えないのは、医師の罪だと思っています。 あくまで治療を決めるのは患者さんですが、情報を聞かないと決めれませんよね?