心臓リハビリテーション

野球の打者理論で正しいのは、おそらく「ストレートを待って、カーブにも対応する」

医学にも当てはまります。 野球では上記以外に、「来た珠を打つだけ」、「配給を予測して狙い球を絞る」、や「打てる球だけを待ち続ける」などがあります。
医学では、題名にかいた、「ストレート(急性疾患)を念頭において、カーブ(慢性疾患)にも対応する姿勢」が重要です。 これは町医者になっても、です。 カーブを常に念頭に置いている医師や、トレーニング上、そうなってしまった方は仕方ないと思いますが、ストレートな疾患は打ち返すことができず、空振りするため、最初からバッターボックスに立たない、という医師が大きな病院でも町医者でも増えてきていると思います。 私とは少し反対の考え方で、どっちがいいとかではありません。
ただ、患者さんの疾患がカーブばかりだとは限りません。 突然、ストレートになっている場合もあるのです。 そういう場合、対応をどうしているのか? はなはだ疑問です。 ストレートを打てないのに、、、
以前、心リハの慢性期を担当させていただいて、途中で1ヶ月休むように指示させていただいたことがあります。 その患者さんは1ヶ月後に不安定狭心症の状態と判明しました。 慢性期の心リハは、なんの考えもせず続けていれば、心リハ中に突然死もありえたわけです。 急性期で、自分でステント治療をした患者さんに、慢性期の心リハを多く経験している医師は高知県ではあまり現状いないと思います(これから大きな病院でそういう医師が多くなると思います。 今は急性期だけ、などなのです)
そのため、研究会や学会で、心リハ中に狭心症が不安定化している、という場合には予定より早めにカテーテルでのチェックや、虚血の検査をしてもらうことが重要なのです。